我慢のきかぬ 注!R18 任務中、ウェカピポは全くマジェントに触れてくれない。移動途中での宿でどれだけ強請っても「仕事が終わってからにしろ」と言うばかりである。マジェントが拗ねるとキスをくれはするがそれ以上は決してしない。一月近い長期の任務なのでマジェントの我慢もいい加減限界である。毎日のようにマジェントにごねられているウェカピポもすっかりうんざり顔であったが。 「いいだろ、一回くらい。絶対明日に響かないようにするからよぉ。」 椅子に腰かけて地図を見ているウェカピポの腰にべったりと抱きついてマジェントはいつも通りのセリフで騒ぐ。ウェカピポはすっかりそれに慣れてしまって完全に知らぬ顔だ。反応がないことに焦れてマジェントが不機嫌丸出しの顔で睨む。それも効果の無いことを知っているマジェントはベルトに手を伸ばして実力行使に出た。が、腕を掴んで阻止される。 「駄目だ。」 「でも」 そこから続く言葉はウェカピポの唇に遮られた。掴んだ腕をそのまま引っ張られ口付けられたのだ。髪をぐしゃりとかき混ぜられ、心地良さにマジェントは目を細めた。無骨な指が耳の後ろを撫でる。普段からは考えられない優しい扱いをされ歓喜にゾワリと背を快感が走った。絡めた舌の感触を欠片も零すまいとギュッと目を瞑り快楽を追う。いつもより深くて、気持ちいい。少しでも長く触れてほしいと思っていたが、その願いも虚しくあっけなく唇は離れた。 「もう寝るぞ。」 「え。」 「明日も早いからお前も早く寝ろ。」 「ここで放り出すとか信じられねぇ……。」 布団に入り背を向けてしまったウェカピポに恨みがましく言ってみるが相変わらず無視である。下腹部に重く溜まった熱が燻り、触れてほしいという欲求はさっきよりさらに増していた。生殺しも良い所だ。しかし文句を言ったところでこの頑固な男が折れてくれるとは思わない。自分も布団に入って目を閉じてみるが、唇の熱や、首筋の皮膚に指が辿る感触が残っていて眠れない。明かりを消した真っ暗な部屋で何とか眠ろうと何度も寝返りを打った。マジェントが身動きするたび衣擦れの音が嫌に大きく聞こえる。任務自体はもうすぐ終わるから、あと数日我慢すればウェカピポは抱いてくれるのだ。そう思ってやり過ごそうとするが、もう限界だった。 先程のキスで膨らんだ期待は下肢にもしっかりと影響を与えていて、そこはすでに緩く勃ちあがっていた。 「なぁ、ウェカピポさん。」 隣のベッドへと声をかけてみるがもう眠ってしまったのか返事は無く、規則的な寝息が返ってくるのみだ。無理やり起こせば容赦なく殴られるだろう。仕方ないので悲しいけれども一人で処理することにする。相棒が横で寝ていても、一発抜くぐらいならきっと罪じゃない。そもそも触ってくれないあいつが悪いし、といつもよりさらに働かない頭でマジェントは考えた。 寝間着の隙間から手を差し込み、少し芯を持ったそれを下着越しに撫でた。ゆっくり揉みこむと、じんわりと快感が下肢に広がる。心拍数が微妙に上がった気がした。もう片方の手を上着に滑り込ませると、思っていたよりヒヤリと冷たい指先に体が思わず強張る。しかしそのまま腹をゆっくり辿り胸元へと這わせた。すぐには核心に触れず周囲をそろりと撫ぜるとゾクゾクと気持ち良さが背筋を伝っていく。幾度か繰り返した 後、体温に馴染んだ指先で突起をグリ、と押し潰すと小さく吐息交じりの声が漏れた。布越しに撫でる性器が胸からの快感に反応して微かに跳ねる。布一枚隔てた状態ではやはりもどかしくて、直に触れようと下着を下ろした。足首に絡まるスラックスと下着はそのままに、硬度を増した陰茎を握り込む。 普通に抜いてしまっては面白くない、と目を瞑って「この手はウェカピポの手だ」とマジェントは自分に言い聞かせた。触れてくれない腹いせにオカズに使ってやるのだ。ゆっくり筒状にした手を前後させると、そのシンプルな動きだけでも気持ちが良い。段々ペースを速めて、何度も繰り返すうちに性器はすっかり勃ち上がり、先走りを零すまで育った。「早いな」とウェカピポの声で幻聴が聞こえそうだ。 括れを撫で、尿道に指先を押し付けると快感に腰が浮く。指先を離すと先端から先走りが糸を引いた。続けてウェカピポが稀にするように亀頭ばかりをぐり、と責めると意図せず小さく悲鳴じみた声が飛び出る。ジワリと生理的な涙が滲んだ。火照った頬の熱を冷まそうとシーツに押し付ける。手を止められずに、さらに亀頭を弄り続けると射精感が増した。少しでも快感を逃そうと軽く首を振ると髪がパサリと音を立てて目元にかかる。こんな時、ウェカピポは優しく髪を避けてくれる。そうやって彼のことを考えると先走りがまた溢れた。 このまま出してしまってもいいくらい気持ちが良いのだが、何だか物足りないような、吐精してしまうには勿体ないような気がしてマジェントは一度手を止めた。息遣いのみが部屋に響く。何が足りないのか本当はわかっている。そこまでする予定ではなかったのだが、と思いながらマジェントはうつ伏せになってから膝を折り、腰を高く上げた。仮想のウェカピポに見せつけるように。 舐った指に唾液をたっぷりと絡ませて後ろへ触れる。期待に収縮するそこを何度か撫でてからぐっと押し込んだ。前に使ってから随分間が開いたので少し痛みはあったが、時間をかけて指を挿し込んでいくとちゃんと納まった。慣らすように動かしながら徐々に指を増やす。良いところを掠める度に上がる声が響かぬよう枕に顔を埋めて歯を食いしばった。性器にも手を伸ばして抜き差しと同時に扱けばすぐに限界が来た。 「…ん、ンッ、ァ、出しても…、いい…か?ウェカピポさ…ぁ、」 返事のあるはずない相手へマジェントは伺いをたてる。 「もう…出ちまう…ンッ…あ、あ、」 「何でもいいから早く出してしまえ。うるさい。」 「えっ!…っう、」 突然横から聞こえた声に驚いて盛大に吐精してしまった。びく、と腰が震える。溜めていた精液は数度に分けて太腿やシーツへ飛び散った。ゆっくりと隣のベッドの様子を伺えば眠っていたはずのウェカピポがこちらを見ていた。一部始終を見られた、という事実に気づいてマジェントは思わず顔を歪めて泣きそうな表情になる。 「あ、あんたひどすぎ…」 「俺の安眠を妨害したのはお前だ。」 「にしても声かけるタイミング悪すぎだろ…。シーツ汚しちまったじゃねえか。詫びとしてあんたのベッドで寝かせてもらうからな!」 悪態をつきながらベタベタの手や太ももを汚れたシーツの端で拭う。ウェカピポは返事をせず、少しだけ端に寄った。着衣も整えて手だけ簡単に洗うとマジェントは彼の横へと滑り込んだ。ウェカピポの体温で布団は暖かった。 「あんたが悪いからこんなことになったんだからな。」 「…うるさい。」 「任務が終わったら覚えてろよ、搾り取ってやる。」 「うるさい。」 怒ったウェカピポに軽く口付けられ、マジェントは漸く黙った。ベッドから蹴りだされては困る、と大人しくマジェントは目を閉じた。今度こそ眠れそうである。 自慰マジェントが書きたいだけの文でした。 ウェカピポさんがいつもよりマジェントに甘め。 |