我が家 


ただいま
(一緒に住んでる設定)






一週間ぶりの我が家の戸を開ける。出張中は大して長く感じていなかったが、我が家を見ると急にすごく久しぶりに帰ったような気持ちになるのは気のせいだろうか。
家の中は心配していたよりずっと綺麗だ。あの生活力の無い、くるくる頭の同居人がすっかり散らかしていると思っていたのに。ウェカピポはいらない仕事が減ったことにホッとした。 遠くへ行く任務はやはり体に堪えたので早く休みたかったのだ。
「ただいま」
とりあえず玄関からいるはずの同居人に声をかけてみるが反応はない。いつもは子供のように飛び出てくるのに。
「マジェント?寝ているのか?」
おかしいなと思いながらリビングを覗くと体育座りの後ろ姿を見つけた。いるじゃないか、とウェカピポは少しだけ眉根を寄せた。
「おい、いるなら返事くらいしろ。」
「…おかえり。」
「また痩せたんじゃないか?きちんと飯は食ってたのか?」
上着を脱ぎながら話しかけるがマジェントは黙ったままである。流石に腹が立ったが、ぐっと堪えてマジェントの横に座った。こちらを向こうともしない。 この一週間で何かあったのだろうか。怒ったところで状況は変わらなさそうだと思ったのでウェカピポは逆に優しくしてやることにした。
「言いたいことはきちんと言え。」
顔を覗き込んで、膨れっ面のマジェントの跳ね放題な髪に指を通して梳いてやると見る見る表情が崩れた。そのままいつもの勢いで抱きつかれる。鈍い音がした。
「…もっと早く帰ってこいよォ!ばーか!!あんたいないと暇だし飯はまずいし最悪だった!」
ウェカピポは思わず吹き出しそうになった。なんてことはない、拗ねていただけだったのだ。胸にぐりぐりと押し付けられる頭をさらに撫でてやる。
「任務だから仕方ないだろう。」
「次は俺も一緒に行くから!俺とセットの仕事以外はとってくんなよ!」
次々捲し立てるマジェントをなだめる。こんなにでかい図体をして本当に子供のようだ。
「今日はあんたの作った飯食うから!」
「ああ。」
「そんであんたと一緒に寝るから!」
「ああ。」
この話していて疲れる感じはまさしく我が家だ。安心感すら覚える。自分の胸で喚くこの生き物を仕方ないから甘やかしてやろうとウェカピポは少し微笑みながら考えた。



内容がない! 一緒に住んでいちゃいちゃすればいいじゃない!というだけの文です…