01.もう一度キス キスを、してしまった。年上の明るい笑顔の彼に。ミスタは心底驚いた顔をしていた。僕も自分の行動に心底驚きましたよ。 でも仕方ないでしょう、たまらなくかわいいと思ってしまったのだから。しかしよりにやってなぜミスタなのだ。 街を歩けばチャオ、ジョジョと声をかけて寄ってくる女の子は沢山いるし、男にしてももっと色々いるのに、どうしてこれをかわいいと思ったんだろう。 「ジョルノ」 なんとも困ったかわいい顔でミスタが覗き込んでくる。あなたは悪くないのに! 「ごめんなさい、ミスタ」 「いや、なんていうか、謝られてもだな、その、嫌だったとか言ってる訳じゃなくて、その、」 口の中で何事かごにょごにょ言っているが、聞き取れない。それより僕はその唇が気になって気になって仕方ないのだ。赤く染まった頬もかわいい。 ああ、またミスタをかわいいと思っている。ミスタのごにょごにょと僕のうだうだした考えを遮るべくもう一度その唇に口付けた。この2度目のキスで僕らのなにかは、はっきりするだろう。 思春期ジョルミス 02.無くした1ピース フーゴは完璧だ。ちょっと怒りっぽいけど、本当は優しいし、すっごく勉強も出来るし、すごいスタンドを持ってるし、何より格好良くて綺麗だ。そしてそんな完璧なフーゴが俺はとっても好きだ。 フーゴは完璧だな、と思ったままを本人に伝えると何やら複雑そうな顔をされた。ちょうどおやつを準備していたようだ。 きれいに切り分けられたシフォンケーキが5つ。フーゴは一旦それを放置して、何やら考え込んだあと口を開いた。 「僕にも足りてないもの、ありますよ。」 「え!フーゴにそんなんあるの?」 頭の悪い俺にはわからないや。頭を抱えた俺を見てフーゴはフフフ、と柔らかく笑う。あ、その笑い方好き。 「あなたはもともと持ってるからわからないんですよ。」 はい、と生クリームをたっぷり乗せたケーキを手渡される。俺は皿ではなくフーゴの手をぎゅっと握った。 すごく、びっくりしたみたいでフーゴはうっかり皿を落としそうになった。顔も少し赤い。かわいい。 「じゃあ、俺と一緒にいたらいいんだよ。俺とフーゴが一緒にいたら足りないものもなくなって完璧だぜ!!」 俺天才じゃない?と笑ってみせればフーゴも珍しくそうですね、と褒めてくれた。約束、と言って頬に一つキスを落としてケーキをパッと奪い取った。 こういうことをしたらすぐ逃げるに限る。案の定、後ろからフォークが飛んできた。きっとフォークを投げてる彼の顔はさっき見たときより赤いだろう。 ナラフーかわいいよね!っていう話(……) 護衛チームはドルチェを食べさせたくなります。 甘いもの食べてる護衛かわいい。 03.一回きりの付き合い 女の香水の匂いを振りまきながらメローネが帰ってきた。実際帰ってきた、と言うよりもギアッチョの家に勝手に上がり込んだと言うのが正しいのだが。 しかし任務後にギアッチョの家で一緒に夕食を食べたり、だらだらと話し合ったり、酒を飲みながら二人とも寝てしまったりなんてのは恒例になっていたからギアッチョは勝手にメローネが入ってきたことは咎めなかった。 ただ、その匂いに顔をしかめる。 「また女かよ。」 「いーだろ。行きずりの女だし。一度きりさ。ターゲットと相性良さそうだったらすぐベイビィが作れるしね。」 「最もらしいこと言ってっけどただの性欲処理だろ。」 「ま、そうだけどね。」 いつのまにかメローネ用になったカップを戸棚から出し、水を汲んでそれを飲み干す。ソファに座っていたギアッチョもメローネの横へ移動し、自分のカップを手に取る。そしてごく自然な動作でメローネの髪をよけ、キスをした。メローネは心底驚いたが反応を返す前に唇はすぐ離れた。 「それは俺じゃあ駄目かよ。」 耳まで真っ赤にして言うものだからおもしろくて吹き出す。それを見てギアッチョがメローネを小突いた。ごめん、ごめんと笑いながら謝る。 「俺はね、ギアッチョとは一回きりにしたくないからセックスしないのさ。お前と酒を飲みながらだらだら話したり、一緒にサッカーみたりしてるのが楽しいんだ。セックスなんてどうでもいいことその辺の行きずりの女でいいんだよ。」 そう言うとギアッチョはなんとも難しい顔をした。メローネはまたふふふ、と笑う。 「ずっと親友の関係を崩したくないってことだよ。てか俺とセックスなんかしてみろ、チェリーなギアッチョが潰れちまう。」 からかうとチェリーじゃねぇ!と蹴りが一発飛んできた。 わかりにくい文でごめんなさい。 恋人になってしまったらいつか終わりがくるのを知っているから踏み出さないメローネと現状も楽しいけど一歩踏み出した関係になってみたいギアッチョ。 親友以上恋人未満みたいな二人が好きです。 普通に友達として仲が良ければ良いほど萌える… 04.1番になりたい 俺のプロシュート兄貴はリーダーと職場恋愛をしている。もちろん兄貴は俺にバレてるなんて思ってないけど。兄貴は必死でその関係を隠そうとしているので俺も必死で知らないふりをしている。 「ペッシはプロシュートとリゾットの関係についてどう思ってるんだ?」 アジトでメローネにそう声をかけられた。兄貴は今リーダーに任務の報告をしているので席を外している。自分とメローネが二人で話すのは珍しかった。 「別に、兄貴幸せそうだしそれならいいかなあって。偏見とかはないよ。」 正直に答えるとメローネがヒュウと口笛を吹いて冷やかした。 「大人だなあ、ペッシは。リーダーはプロシュートがお前ばっかり構うから嫉妬してるのに!」 そう言ってメローネはおかしそうにハハハと笑った。兄貴より少し色の暗い金髪が揺れる。それよりも、 「嫉妬?兄貴はリーダーも大事にしてるよ?」 わかりにくいけど本当はね。兄貴を注意深く見てると何よりリーダーを大事にしてるのがわかる。もちろん俺にも優しくしてくれるけど。不思議がる俺にメローネはニヤニヤと笑いながら教えてくれた。 「リゾットも、じゃ駄目なんだよ。恋人が自分以外に優しくしてると妬けちゃうんだろ。ま、リゾットに限らず男ってのはそういう困った生き物さ。」 そんなものなのだろうか、まだ自分はよくわからない。もう少し詳しく話したかったが、 メローネはそろそろ任務だからと言ってベイビィフェイスを掴んで出て行ってしまった。兄貴もなかなか帰ってこず、話し相手もいなくなって、とても暇なのでリーダーの部屋へ様子を見に行く。 アジトは静かだ。もちろんリーダーの部屋もとても静かだった。薄く開いた扉の隙間からそうっと中を覗くと抱き合う兄貴とリーダー。 そんな予感はしていたがお邪魔だったようだ。退散しようかと思ったがばっちりリーダーと目が合った。やばい。兄貴にバレないようにしい、とリーダーは唇の前で人差し指を立てた。 兄貴はリーダーに抱きしめられながら幸せそうに笑っている。ふと、兄貴を独占できるリーダーを少しうらやましいと思った。別に兄貴の恋人になりたい訳ではないけど。 男ってのは困った生き物さ、というメローネの言葉がリフレインした。 プロシュートの一番になりたいのはリゾットです。 ペッシは母をとられたような気持ち。笑 リゾプロ+ペッシの図が好きです。 |